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一人旅縁 - 広島–東京を在来線で & el tempo LIVE at BAROOMの感想

  

 春が終わり夏がはじまる頃、広島から在来線に乗って東京へ行ってまいりました。空の旅、海の旅、陸の旅といろいろ調べ、魅力的なプランはいろいろ出てきたのですが、いまいちピンとこず何度調べても、旅程が決まらない日々が続きました。考えあぐねて一番腑に落ちたのが在来線での旅でした。これまで飛行機や新幹線、そして高速バスでも旅をしました。新幹線ものぞみ・ひかり・サクラ・こだまとあり、一つ前の旅にて、こだまは経験させていただいた。でも、在来線はまだだな。普通電車で遠距離移動ってできるのだろうか、やってみようかなぁということで、各駅停車の鈍行で行ってみることにしました。

 始発出発ということもあり、きっぷは事前に購入。WESTERポータルからe5489を通して往復乗車券を購入しました。長距離移動になると、距離に応じて切符の有効期限が長くなります。広島-東京 は800kmを超えるので、切符の有効期限は改札機を通してから5日間に。一日でたどり着けなくもありませんが、その後が続かないだろうなと思い、片道2日間で移動する旅程を組みました。道中の様子は、自身手書きの旅ジャーナルをもとにお届けいたします。


Day 1  

 広島から三原(みはら)までは、1時間16分の道のりだった。次の電車まで20分くらい待ち時間があったので、改札を出てみることにした。「営業距離100km以上なら途中下車が何度でもできる」と書いてあったのは見ていたが初めてだったので、駅員さんに確認をして改札を出る。駅前の噴水を一周して、ローソンでペットボトルの水を購入。再び改札を通り駅のホームへ向かう。相生(あいおい)行きの黄色い電車に乗り三原駅を出発した。大門に着く手前くらいで、登校中の中学生と相席になる。私も彼らも大きな荷物を抱えているが、彼らにとってはこれが日常、私には非日常の世界だ。おそらくいつも座る席にいつもと違う人が座っていたのかもしれない。そうだとすれば、彼らにとっても、いつもとはちょっと違う朝のひとときだっただろうか。


駅名のプレート

 広島から岡山に入ると、駅名プレートの両端に引いてある線の色が黄緑色からやまぶき色に変わった。兵庫県に入ったら、また黄緑色に。上郡(かみごおり)のあたりでは、麦を栽培しているようだ。若麦の緑色の畑が広がる。有年(うね)駅でまた、駅名プレートに引いてあるラインが青に戻った。相生で乗り換え、10時45分姫路駅に到着。次の出発まで45分あったので、改札内のおむすび屋さんで朝昼兼用の食事を摂った。おむすびランチ515円。お味噌汁は、心も体も浄化してくれる魔法のスープだと思う。


名古屋で1泊 

 11時27分、米原(よねわら)行きの列車で出発。この辺りで眠くなり、ウトウト。時折窓の外を眺めつつ、気がついたら名古屋駅に着いていた。名古屋に着いたのは、夕方前。予定通りに着くことができた。予約しておいたninehoursまでは少し迷ったが、その近くで焼きチキンを食べられる「がブリチキン」というお店に出会い食事ができた。旅先では、アルコールを飲む方がお腹を下しにくいように思っているので、今回は、ハニージンジャーサワーを一杯いただいた。サラダとひとりチキンと席代で1870円、帰りにローソンで赤飯のおむすびと木の実、ココア、麦芽豆乳、水を購入。合計789円。この日の支出は3,307円。


Day 2  

 名古屋から東京へ。午前3時に目が覚めた。ほぼ満室だったようで、上から隣からの音が聞こえてしまう。歯軋り、寝息、いびき、寝言まで聞こえてきたたらどうしようかと思った。カプセル型の寝床だ、お互い様だろう。始発に乗れるよう、少し早いが起きることに。朝の支度をしてラウンジで日課を行なった。ラウンジには雨の音。静かな風が吹いている。前日購入していた木の実と麦芽豆乳で軽い朝ごはんを済ませる。午後過ぎには、日が差すようなので、今日は車内で雨を楽しもう。
 やはり、撮影がメインの旅にするには、身軽に、なんならカメラだけを持って行くとか、自由がきいて荷物の量もある程度持っていける車がいいのかなと思う。でも、在来線の景色を見ていていろいろ全体を見せていただいたようにも思うので、また別の交通手段を経験してみても面白いと思った。これから出発。

故郷に向かう電車

 夜明けの駅前は、まだ街灯がついていた。オレンジ色と緑色のランプがついた街灯。朝帰りの女子学生が三人並んで歩いている。タクシーが静かに走る。花壇に植えられたキャベツ。生産量日本一を誇るだけあり、まんまるで大きくて立派だ。午前5時40分、駅前で数分ほど写真撮影をし、豊橋行きのJRに乗り込んだ。豊橋は私の生まれ故郷。白い車体にオレンジ色のラインが入った列車。これからは、オレンジ色が故郷を思い出す色になるのだろうか。懐かしいような珍しいような、くすぐったい時間。

 在来線のお手洗い

 乗り換えて島田まで3時間。車内にお手洗いがあって助かった。しかも、空間の広い機能的トイレ。進行方向に向かってうしろ側の車掌さんがタイミングよくアナウンスをしてくれ、何かわからないことは聞いてくださいねと、車内を歩いてくれたおかげで、なんとか間に合った。ありがたい。そういえば、車内アナウンスにしても、改札での対応にしても、なんだか空港を思い出すような場面がいくつかあった。時代が変化する過程で働く人も移り変わっているのだろう。

富士フォトギャラリー銀座へ

 午前8時38分、島田で熱海行きに乗り換えて出発。お水も購入。130円。12時18分、無事東京に到着。ありがたいことに、Fujifilm主催の写真展「GFX OWNER's PHOTO EXHIBITION」に応募した写真を展示していただくことになり、記念に訪問した。八重洲口から銀座方面に歩いて鍛治橋通りを渡り、4本目の通りを過ぎて銀座桜通りに入る。進んでいくと、左手に富士フォトギャラリー銀座への入り口がある。エレベーターで4階へ。心地よい空間づくりだった。壁の色、照明の明るさ空調もちょうどよく、ゆったりとみて回ることができた。ひとり一点ずつの作品もこうして並べて全体としてみると、なんだか繋がりがあるように見える。それぞれの物語が時空を超えてつながっているような感覚だった。
 お昼は東京駅で親子丼定食。1298円。駅構内で働く人が多国籍化していることに気づく。こちらの定食屋さんの厨房は、インドかバングラディシュの出身だろうか。どちらにしても、丁寧で落ち着いた日本語を話す方達だ。この方達が教わった先生の人柄が伺えるようでもあり、なんだか嬉しかった。 

BAROOMへ

 午後3時前に宿に着いたので、シャワーを浴び、バッテリーの充電もしつつ、仮眠をとる。南青山には6時半に出発すれば間に合うので、ゆっくり1時間半休もう。5時40分、ぐっすり眠れた。Let's go!
 東京メトロで近くまで来て歩いているが、スマホの地図とは反対の方向へ向かったらしい。引き返して、正しいルートに戻る。おしゃれな建物と洋服の並ぶ通りを歩き、途中のレストランの入り口には、大きな盆栽。BAROOMに到着し扉が開くのを待つのに建物に沿って並んでいたのだけれど、ここにも植物が。目の前には大きな交差点があり、ガソリンスタンド、コンビニエンスストア、行き交う車、行き交う人々と、いろいろが雑多に行き交う場所に、ひっそりと佇む植物の存在に心がほぐれた。el tempoのライブが始まる。

一瞬が永遠になる音とリズムの世界 

 BAROOMでのLIVE、とっても楽しかった。ほぼ円形の会場は、演者を中心に円すいを逆さまにしたようなすり鉢状に席が並んでいる。演者と観客の距離が近いので、音もリズムも人を通して伝わってくるような柔らかい感覚だ。会場を出て右手の窓際には座って飲み物を楽しめるカウンター、その反対側にはゆったりと座れるソファーがあり、通路をそのまま進むと壁に沿って歴代のレコードがずらりと並んでいる。さらに奥に進み角を曲がると、DJスペースとバーカウンター、そして、襖で仕切られたようなゆったりと座れる空間がある。和とモダンの融合はなんだか懐かしい感じもして、 心地よかった。
 ライブ前半は、正直いうと覚えていない。円形の会場、ステージも客席も一体となっているような全体を見渡せる空間での初めての音体験だった。ビールが美味しかったということは、楽しかったということだろう。後半、他の演者さんもコンダクタを一人ひとり交代で担当したセッションを体験した時に思ったのは、非日常の世界ではあるけれど、コンダクトするということは、その人それぞれの日常が出るというか、やはり個性が出るものなのだということだ。ひとりで黙々と作業をするのが好きな人もいれば、おしゃべりをしてコミュニケーションを取るのが好きな人もいる。今回は特に、観客との掛け合いも多くみられ、とても楽しいひと時となった。次のLIVEは、7月19日(金)だそうだ。定期講演だと、例年6月だったけれど、今年6月にないのは、何か他のことをする予定があるからだろう。今日もよく眠れそうだ。ビール 1000円×2。

Day 3 

丸の内を歩く

 午前3時30分、目覚ましが鳴る前に目が覚めたので、ストレッチをして出発の準備。始発で赤坂から二重橋駅(丸の内)に到着。丸の内仲通り〜国際フォーラム〜八重洲方面へと歩き、丸の内に戻る。6時50分、新丸ビル内のスタバにて朝食をとっている。フランスパンの生ハムチーズサンドと「豆乳のカフェ・モカ ホイップクリームなし」をいただく。これまでの旅を通して、旅先でのグルテンフリーは難しいとわかったので、これからは最小限に抑える方向で行こうと思う。生ハムチーズにバリバリで固くてボサボサのフランスパン、幼少期はこういうパン食が好きだったのを思い出した。これから伊東に向かうけれど、天候によっては、そのまま名古屋に向かって夕方の撮影か明日の奈良に備えて睡眠を長めに取れるようにしようと思っている。また東京へ行けるよう一歩ずつ進む。

熱海から伊東へ 

 熱海経由で伊東へ行ってみた。路線の仕組みがよくわかっておらず、行きも帰りも駅員さんに何度も確認して助けていただいた。ありがたい話だ。熱海では改札を出て観光することはなかったが、駅員さんの人情深さが身に染みたので富士山のお守り550円をお土産に購入。熱海から伊東までの交通費は往復で660円。伊東のオレンジビーチは曇天だったものの、澄んだ水と柔らかい波の音が心地よかった。駅の近くにレンタカーのお店があったので、また来ることがあれば、海岸線をドライブしてみたいとも思った。

 名古屋で1泊

 名古屋に着いて、桜通り口へ出る。KITTE名古屋に辿り着き、「にぎりたて」という持ち帰りのおむすび屋さんで夕食を購入。うめと椎茸わさびを選んだところで、もう一つを数十種類の中から選ぶのは大変だったので、「おすすめはありますか?」と聞いてみる。すると店員さんは、お値段も美味しそうな牛肉入りのおむすびを勧めてくれた。お醤油が入っているだろうなぁと思ったので、食べてみたいけれど......と間をおくと、今度はしそのおむすびを提案してくれた。「また来てね」「ありがとうございます」と、こういうやりとりができるお店に出会ったのは久しぶりだった。だし巻き玉子も入ったお弁当を抱え、途中ローソンでお水とルイボスティーを買い足して、ホクホクで宿へと戻る。おむすび3つにだし巻き玉子をつけて690円。飲み物は合わせて216円。中身も充実した食べ応えのあるおむすびだった。楽しい1日に感謝。

Day 4

 最終日の4日目は疲れもピークに来ていたようだ。朝の撮影を終えたところで、半分夢を見ているような感じで始発で名古屋から亀山線経由で奈良へ向かった。この路線は、本線から外れているので、この間の切符は券売機で購入しておく必要があったが、仕組みを理解していなかったため、広島-東京 の乗車券で入場して、亀山行きへ乗ってしまった。亀山から加茂で一旦途中下車しようと思い、駅員さんに伺ったところ、この切符では改札は出られない、ここで降りると料金がかかると言われ、そのまま奈良へ向かうことにした。仕組みを理解したのは、奈良駅の駅員さんに切符を見せたときだった。東京-名古屋を在来線で、一泊して名古屋から始発の亀山線で在来線できたことを伝えると、亀山経由の 名古屋-奈良 は本線から外れるので、改めて乗車料金がかかるということを教えてもらったものの、支払いは現金のみとのこと。困った。現金を持ち合わせていないことを伝えると、一つ間を置いて、「クレジットカードはお持ちですか?」と救いの一言が。券売機まで同行していただき、2320円をクレジットカードで支払わせていただくこととなった。無事、密かに憧れていた奈良公園に到着。鹿の群れと若葉色の春日山、鹿寄せにも巡り合い、類まれなる素敵なひと時を過ごさせていただいた。幸せのひとことに尽きる。

都合のいい思考回路

 帰りは、券売機で切符を購入してから大阪に向かう方がいいと教えてもらい、わかりましたと返事をしたにも関わらず、帰りの私は鹿のありがたさにまみれて気が抜けていたようで、suicaで入場。 本当に自分でも呆れるほどだ。
 こうなると、大阪駅で一旦改札を出る必要があるのだけれど、電車を乗り換えることに集中するあまり大阪駅で改札を出るのを忘れた。ここで、都合のいい思考回路が働いたらしい。帰りは、券売機で切符を購入するつもりのままsuicaで入場しているので、suicaをとした時に大阪までの運賃は払っているような感覚になってしまった。広島駅で夕食に三ツ矢そばをいただくのにsuicaで支払いをした際、電車に乗ったはずなのに妙に残高があるとは思ったものの、バッテリーの残量が1%だったこともあり、更新されていないと思った。ま、そのうち更新されるだろうと帰宅後はそのまま就寝。朝までぐっすり眠ってしまった。

気付いた瞬間の衝撃

  失態に気付いたのは翌朝だ。いつものように起きて、とりあえずレシートをまとめて手書きの方のジャーナルをまとめようと思っていた。それでも、なんだかこのスッキリしないこの感じはなんだろうと、おもむろにsuicaのアプリを開いてみる。うーん、思っている残高とは違う。じっくり振り返ってみる。そしてようやくわかった。suicaで入場したのだから大阪でsuicaをタッチして一度改札を出る必要があったのだと。一気に目が覚めた。

 乗車券は、自宅最寄り駅で改札を出た時に回収されているし、あたふたしながらも、とりあえず電話をしなくてはと思った。インターネットで問い合わせ窓口の電話番号を検索し電話をかけた。未精算の運賃についてお聞きしたいと、切符を事前購入したところから旅の行程を詳しく話したところ、電話口の方が、駅員さんのいる最寄えきに今すぐ行ってくださいと仰った。落ち着いた調子で、駅員さんがいらっしゃる時間を教えてくれ、どのような対処があるかはなんとも言えないが、今話したことをそのまま話してくださいとアドバイスをいただいた。最寄りの駅へ向かい、電話口の方が教えてくださったように、電話で話したことをそのまま話した。すると、通じたらしい。駅員さんは話を遮ることも聞き返すこともなさらず、奈良から大阪の料金を計算してくださり、予想以外にあっさりと、無事suicaにて精算することができた。愚かな私をお許しくださりありがとうございます。

まとめ  

 この4日間、本当にありがたいことばかりでした。私の至らない点を補ってくださったJRの駅員さんに感謝申し上げます。おかげで楽しい写真旅となりました。私が今回通った在来線のルートは、青春18きっぷのルートなのですが、本当に青春を味わえるような体験だったと思います。大人になっても未熟なところは未熟なままのこともあり、それがいいとか悪いということでもない。これは誰にでもあり得ることで、失敗した経験でも、その経験が体験として生きてくることはあるのだということも学びました。自分の人生で活かせることもあれば、他の人との関わりの中で生きてくることだってあるのだなぁと思っています。今は失敗だと思っていていることがあったとしても、それはじつは、数年先につながる実りの一歩なのかもしれない。未熟なところを補い合ってそれぞれを生かし合うような形で生きていく姿勢が日常で見られるのは、日本の社会が成熟していることの証なのだ思います。とはいえ、きっぷのルールはしっかりと覚えていきたいと思っているところです。 

 

引用参考資料

JRおでかけネット

切符のルール・種類 

https://www.jr-odekake.net/railroad/ticket/guide/

往復割引乗車券

https://www.jr-odekake.net/railroad/ticket/guide/normal_tickets/discount_round_trip.html

乗車券の有効期限

https://www.jr-odekake.net/railroad/ticket/guide/normal_tickets/validity_period.html

途中下車

https://www.jr-odekake.net/railroad/ticket/guide/normal_tickets/stop_off.html





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